VMAXの買取額は仕様の違いで大きく動く。1200と1700それぞれの水準を押さえる

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VMAXの買取額を調べると、10万円台という数字と200万円超という数字が同じ画面に並びます。これは相場が荒れているのではなく、まったく性格の違う2つの系統が同じ名前でまとめて扱われているからです。

それに加えて、この車種には仕向地の違いという厄介な要素があります。同じ年式、同じ距離でも、どこ向けに作られた個体かで評価の水準が変わります。数字を眺める前に、なぜこの車体に買い手が付いているのかを押さえておくと、提示された金額を自分で判断できるようになります。

この記事では需要の背景から入り、系統、仕向地、限定仕様と順に降ろしていきます。売り先の選び方と大型二輪の手続きは後半にまとめました。

生産が終わったあともVMAXに買い手が付いている事情

相場の数字より先に、需要側の話をします。ここが分かっていないと、高い査定が出たときにその理由を説明できません。

作られた台数が限られている

2代目のVMAX1700は、2017年8月に生産終了が告知されました。このとき用意された最終ロットは120台という少なさで、後期のモデルには今も上乗せが乗り続けています。2014年から2017年にかけての国内仕様が高く評価されやすいのは、この事情が背景にあります。

限定の仕様も同じ理屈です。60周年の記念モデルや30周年のカーボンエディションは、通常のモデルと比べて10万円から20万円ほど高く評価される例があります。ただしこれは個体の状態や、その時点の市場の動きにも左右される幅なので、実勢を知るには複数の買取先に見てもらうのが確実です。

初代への関心が戻ってきている

2代目の国内販売が2017年に終わったあと、初代への関心が改めて高まりました。10年前と比べると、初代の相場は微増の傾向にあります。生産が20年以上続いたロングセラーで流通台数は多いものの、状態のよい個体や最終型は別枠で扱われるようになってきています。

動かない個体にも引き取り手がいる

海外市場での需要が根強く、レストアの素材や部品取りとしての流通もあります。そのため、エンジンがかからない状態でも買取の対象になります。実働車のおよそ3割から7割が目安とされ、2代目の事故車や不動車でも26万円から73万円台という取引の記録があります。初代でも、1988年式で動かない個体が12万円で引き取られた例があります。

1200と1700は、別々の相場で動いている

ここから数字に入ります。同じVMAXでも、系統が違えば水準は別物です。

初代のV-MAX1200

1985年から2007年まで作られた初代は、平均的な買取額でおおむね10万円から38万円あたりが中心のラインです。ただしこれは全体をならした数字で、状態と仕様によって差が大きく、条件がそろった個体では100万円を超える査定が出た記録もあります。

評価が高いのは、Vブーストをフルスペックで積んだ海外向けの個体です。5万kmを超えていても、最終型にあたる2006年から2007年式や、Vブーストを積んだ海外仕様なら50万円以上が付くことがあります。2006年式で走行2万km、程度のよい個体が60万円で引き取られた例もあり、距離の数字だけで安いと決める話ではありません。

2代目のVMAX1700

初代からおよそ23年ぶりのフルモデルチェンジで、2009年に登場しました。1679ccの水冷V型4気筒を積み、国内仕様で151PS、海外仕様では200PSを発揮します。新車の価格が237.6万円という設定だったこともあり、中古の水準も高いまま推移しています。

業者間の取引実績で見ると、2代目全体の平均は83.5万円から151万円のあいだです。条件がそろった個体では300万円を超える落札の例もあります。とくに2014年から2017年の国内仕様は流通台数が少なく、平均142万円から153万円という高い水準で査定される場面が目立ちます。

型式と仕向地を先に確かめる

系統が2つある以上、自分の一台がどちらでどの仕様かを間違えると、最初の見当が丸ごとずれます。書類と車体で確定させてください。

車検証に記載された型式が手がかりになります。3UF、2LT、RP22Jといった表記のどれに当たるかで、系統と仕向地の見当が付きます。初代の国内仕様は3UFで、1990年以降は当時のメーカー自主規制に合わせてVブーストを積んでおらず、最大出力も97PSから98PS程度に抑えられました。

海外向けの初代は、年式と仕向地によって諸元が変わります。北米向け、欧州向け、カリフォルニア向けといった区分があり、一般に北米向けは高出力とされますが、規制への対応で年式ごとに出力が動きます。カナダ向けなら常に145PSといった一律の言い方はできないので、自分の個体の年式と仕向地を突き合わせて確認するほうが確実です。

なお、この記事で2代目の年式を2009年から2017年としているのは、国内で流通するRP22J系を前提にしているためです。海外では販売の時期が異なる場合があります。

走行距離帯ごとの平均を、系統別に並べる

年式と型式が決まったら、次は距離です。業者間の取引データを距離帯で区切ると、次のようになります。

走行距離 VMAX1700の平均 VMAX1700の上限の目安 V-MAX1200の平均
5,000km未満 約206万円 295万円超 約46万円
5,000kmから1万km 約156万円 170万円前後 約39万円
1万kmから2万km 約129万円 157万円前後 約34万円
2万kmから3万km 約146万円 152万円前後 約30万円
3万kmから5万km 約110万円 125万円前後 約27万円
5万km以上 約86万円 98万円前後 約22万円

表を見て引っかかるのは、2代目の2万kmから3万kmの帯が、その一つ下の帯より高く出ている点です。これは個体差と、その帯に限定仕様が集まっているといった要因が影響しています。距離が少ないほど高いという原則は変わりませんが、距離だけで一律に決まる車種ではない、ということがこの逆転から読み取れます。

初代のほうは、2代目ほど極端な開きはありません。それでも低走行の個体は同じ年式の中で明らかに優位に立ちます。距離が伸びている場合は、年式と仕様の組み合わせのほうを材料として押し出すことになります。

国内仕様と海外仕様、そして限定仕様の上乗せ

この車種で距離と並んで効くのが、どこ向けに作られたかという違いです。

2代目の場合、国内仕様は排出ガス規制への対応で最大出力が151PSに抑えられています。一方の海外向けは200PSで、逆輸入という形で一定の需要があります。業者間の取引データでは、国内仕様の平均レンジが89万円から119万円であるのに対し、海外仕様は104万円から167万円と全体に高い位置にあります。差は平均でおよそ10万円から30万円です。

初代でも同じ構図があり、Vブーストを積んだカナダ向けや北米向けは国内仕様より人気が高く、査定でも有利に働きます。逆輸入の車両を専門に扱う先や、海外への販路を持つ買取店では評価が上振れしやすいので、海外仕様を持っているなら声をかける先の選び方から変わってきます。

手を入れた車体は、質と統一感で見られ方が変わる

この車種のカスタムは、他の車種のように一律で減点とはなりません。仕上がりの質と全体のまとまりで、評価が上にも下にも振れます。

加点に振れやすいのは、質の高いパーツを使った軽めのカスタムです。ブレンボのブレーキ、オーリンズのショック、ダイマグのホイール、ヨシムラやモリワキのマフラーといった名の通ったパーツで統一感が出ていれば、そこを評価してもらえる場合があります。実際に、こうした社外品を複数装着した2001年式の個体が約55万円で引き取られた記録があります。

逆に減点に振れるのは、車検に通らない部品を付けた改造や、加工の質が低いカスタムです。また、純正の部品を残しているかどうかも見られます。元に戻せる状態だと分かれば評価が保たれやすいので、手を入れていても純正は処分せずに保管しておいてください。

伝え方にもこつがあります。装着しているパーツのブランド、購入時の価格、施工した店の情報を先に整理しておき、査定の当日ではなく申し込みの段階で共有しておくと、内容の分かる担当者に当たりやすくなります。

動かない、車検が切れている、ローンが残っている場合

事情を抱えたまま売れるかどうかは、この車種でとくに聞かれる部分です。順に整理します。

自走できない場合

エンジンがかからない、タイヤが劣化して走れないといった状態でも、対応する買取先は多くあります。装備重量が300kgから310kgという車体なので、押して運ぶ選択肢は現実的ではありません。積載車の手配を無料で行っている先が多いため、動かせないことを理由に問い合わせをやめる必要はありません。

車検証が見当たらない場合

251ccを超える二輪で車検証を紛失したときは、管轄の運輸支局で再交付を受けられます。所有者であることを示す書類と印鑑を持って窓口に申請する流れです。ナンバープレートを失った場合も同じく運輸支局での手続きになります。書類がそろわない段階でも査定を先に進め、取得の手伝いをしてくれる買取先もあるので、まず相談してみる価値はあります。

ローンが残っている場合

支払いの途中だと、所有権が信販会社や販売店の名義になっていることがほとんどです。この場合は残債を確認し、買取代金で一括返済して所有権を自分に移す手続きが必要になります。買取代金から残債分を直接信販会社へ支払い、差額を受け取るという形で代行する先もあります。まずローン会社に残高と所有権の状況を確かめ、それから買取先に相談する順番で進めてください。

売り先を3つに分けて、手取りと手間を比べる

手放す方法は大きく3通りです。それぞれ性格がはっきり違います。

売り方 金額の出方 手続きの負担 向いている場面
買取専門の業者 比べさせることで上振れしやすい 代行が手厚く軽い 金額を優先し、事情のある車両も含めて相談したいとき
販売店での下取り 控えめになりがち 乗り換えと同時に済む 次の一台が決まっていて、日程を合わせたいとき
個人間の売買 うまくいけば上を狙える 名義変更も輸送も自分で管理 時間に余裕があり、やり取りを自分で進められるとき

買取専門の業者は、書類の手続きや名義変更の代行、動かない車両の引き取りまで含めて対応する先がほとんどです。売却と次の購入が別々の手続きになる点と、複数の相手とやり取りする手間はありますが、金額という一点では有利に働きます。

下取りは、引き渡しの日程を合わせやすいのが最大の利点です。ただし販売店は自分の店で売れる車両を引き取る仕組みなので、この車種のように買い手が限られる車両では金額が伸びにくいことがあります。状態のよくない車両や、大きく手を入れた車両では引き取り自体を断られることもあります。

個人間の売買は仲介が入らないぶん高く出る可能性がありますが、売れるまでの期間が読めません。名義の手続きをすべて自分で行う必要があり、代金の受け取りや車両の説明をめぐる行き違いも起こり得ます。とくにこの重量では、引き渡しの方法まで事前に決めておかないと話が止まります。

買取業者を絞り込むときの4つの視点

売り方が決まったら、次は相手選びです。この車種では、一般的な中古車とは見るところが違います。

  • 出張査定に対応しているか、どこまで来られるか。車検切れや不動の状態では自走での持ち込みが難しく、積載車の手配まで含めて無料かを確かめておきます
  • カスタムと逆輸入をどこまで読めるか。パーツ単位で評価する先なら、ブランド品の価値を上乗せしてもらえます。海外への販路がある先は、仕向地の違いを金額に反映しやすくなります
  • 支払いがいつ、どういう形で行われるか。当日に現金という先もあれば、振込で数日かかる先もあります
  • 何社に当たるか。同じ車両でも在庫の事情と販路で提示は変わり、この仕様を探していたという相手に当たれば相場より上が出ます

最低でも2社から3社、可能なら一括査定のような形で同時に依頼すると、比べる材料がそろいます。出張に対応する先が多いので、自走させずに複数の査定を受けられる点は、この車種では大きな利点です。

大型二輪の書類と、引き渡しまでの進み方

251ccを超えるため、軽二輪や原付とは必要なものが違います。当日に足りないと手続きが止まるので、先にそろえておきます。

  • 自動車検査証。所有者と車両の情報が載った基本の書類です
  • 自賠責保険証明書。有効期間内のもので、残りが長いほど評価に効くことがあります
  • 本人確認の書類。運転免許証や健康保険証などで足ります
  • 印鑑。認印で通る場合が多いものの、実印を求められることもあるので事前に確認します
  • 軽自動車税の納税証明書。紛失していても再発行を受けられます
  • 譲渡証明書。名義変更で引き渡す場合に、署名と捺印をして渡します
  • 自動車検査証返納証明書。抹消登録を経て引き渡す場合に必要で、運輸支局でナンバープレートを返納すると発行されます

整備の記録もそろえておいてください。書類が一式そろっている車両は、手をかけて管理されてきたという印象につながり、それが金額に反映されやすくなります。車検の残り期間が長い状態で手放すと、そこが加点になることもあります。

当日の流れは、担当者が自宅か指定の場所に来て、外装、走行距離、エンジンの状態、書類を確認するところから始まります。査定額が提示され、その場で回答が出ることが多いものの、持ち帰って翌日に連絡という場合もあります。金額に合意したら契約書に署名と捺印をし、車両を引き渡して代金を受け取り、名義変更や廃車の処理は買取側が代行するという順番です。

訪問を受けてその場で契約する形は、状況によって特定商取引法上の訪問購入に当たる可能性があります。その場合は法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、書面などによる撤回や解除ができる場合があります。査定そのものは無料で取り消せる先がほとんどなので、一度で決める必要はありません。

売る時期をどこに置くか

需要には季節の波があります。3月から5月にかけては走り出す季節を前に需要が増え、業者間でも仕入れの値が上がりやすい時期です。逆に12月から2月は全体の動きが鈍ります。急がないのであれば、春の手前に査定を受けるほうが条件は整います。

もうひとつ、軽自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課されます。年度の途中で手放しても月割りで戻る制度はないため、4月に入ってからの売却でも納税の義務は残ります。この点も日程を考えるときの材料になります。

そして、売ろうかと考え始めた時点が高い金額で動きやすい時期でもあります。迷っているあいだに相場そのものが動くこともあり、維持にかかる費用を考えれば、判断が早いほうが有利に働く場面は多くあります。

VMAXの売却でよく聞かれること

1200と1700ではどちらが高くなりますか

基本的には2代目のほうが高い金額が付きます。取扱店が限られていた時期があり、記念仕様には受注生産で販売されたものもあって流通台数が少なく、平均で80万円台から150万円台の査定が出ています。とくに2014年から2017年の国内仕様と、200PSの海外仕様は評価が高くなりやすいところです。初代でも、最終型やVブーストを積んだ海外仕様であれば50万円以上が付いた記録があるので、初代だから安いと決めずにまず見てもらってください。

逆輸入の車両は査定に影響しますか

影響します。2代目では海外仕様の平均が国内仕様より10万円から30万円ほど高い傾向にあります。初代でも、Vブーストを積んだカナダ向けや北米向けは人気が高く、査定で有利に働きます。海外への販路を持つ買取先に依頼すると、その価値が金額に反映されやすくなります。

カスタムした車両は評価されますか

内容と質によります。名の通ったブランドのパーツで統一感のあるカスタムなら加点に転ぶことがあります。一方、車検に通らない部品や、仕上がりの粗い改造は減点の対象です。純正の部品を保管していれば評価が保たれやすいので、売る前に処分しないでください。

車検が切れていても売れますか

売れます。車検切れや不動の車両に対応する買取先は多く、積載車での引き取りを無料としている先もあります。2代目の事故車や不動車でも26万円から73万円台という記録があり、動かないから値が付かないという結論にはなりません。

査定を受けた後に断ることはできますか

査定自体は無料で取り消せる先がほとんどです。自宅に来てもらう訪問購入の形であれば、書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。一度の査定で決める必要はないので、複数の見積もりを並べてから判断してください。

売却を決める前に、手元で片づけておくこと

最後に、査定を申し込む前に確かめておく項目を並べます。

  1. 自分の一台が初代か2代目か、車検証で型式を確かめる。3UF、2LT、RP22Jのどれに当たるかを見ます
  2. 国内仕様か海外仕様かを把握する。仕向地は金額に直接効きます
  3. メーターの数字を正確に控え、表の距離帯のどこに入るかを見当付ける
  4. 車検証、自賠責保険証明書、納税証明書の有無を確かめる。紛失しているなら再発行を先に進めます
  5. 手を入れているならパーツのブランドと施工の内容を整理し、純正部品の保管状況も伝えられるようにしておく
  6. 出張と積載車に対応する先を含めて、2社から3社に声をかける

この車種は、系統と仕向地と仕様の組み合わせで金額が大きく動きます。裏を返せば、自分の一台の条件を正確に伝えられるかどうかで結果が変わるということです。数字を確かめてから、どこに何を伝えるかを決めてください。

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